Wordを使って電子書籍を出版するにあたって、毎度毎度、編集作業に時間を割かなければならないとなると、それは時間・労力の無駄遣いでしかありません。
そこで、電子書籍制作用にWordをカスタマイズしておきます。
※今日は「Word2016」を使用してカスタマイズの方法を解説します。
集客のための電子書籍のためのカスタマイズ
Kindleで出版する電子書籍は、
(リフローの場合)1ページ内における表示のされ方が変化します。
※「リフロー」とは、電子書籍を読む側のデバイス環境や読者の自由な選択によって、柔軟にレイアウトや文字サイズなどを変更していくことができる表示方法のこと。
電子書籍マーケティングの書籍レイアウト
なので、電子書籍の読者が行間や余白、文字の大きさを変えたときに表示が崩れないように注意しなければなりません。
Wordには高度なレイアウト機能が装備されているので、複雑なページレイアウトでも表現することが可能です。
ただ、電子書籍は、Kindle端末、Android、iPadといった、読者側のデバイス環境に大きな影響を受けるので、すべてのデバイスで同じように表示させることは困難です。
電子書籍マーケティングで出版していく集客のための電子書籍は、「見出し」と「本文」とで構成されたシンプルなレイアウトの電子書籍で十分です。
電子書籍用にWordのスタイル機能をカスタマイズする
Wordで文章を書いていくときは、フォントの種類や文字の大きさ、文字の色、余白、前後の段落との間隔などを決めます。
ただ、これらを一行ごとに設定したり、一文ごとに設定するというのは、あまりにも無駄が多すぎて、こんなことを続けるのはほぼ無理です。なので、あらかじめこれらの設定の組み合わせに名前を付けて保存しておき、選択すればその設定をすぐに使用することができるようにしておきます。
このようにフォントの種類や文字の大きさなどをまとめて設定したり、変更したりすることができる機能が「スタイル機能」です。
本文で使うスタイルを設定する
Wordで書いていく原稿の「本文」で使うスタイルを設定します。
『ホーム』タブを開いて、赤枠の箇所でスタイルを設定していきます。
赤枠箇所を拡大すると、下図です。
『ホーム』タブで、「スタイル」グループの右下(赤丸部分)をクリックして、『スタイル』ダイアログボックスを開きます。
『スタイル』ダイアログボックスの左下(赤丸部分)をクリックします。
『書式から新しいスタイルを作成』ダイアログボックスが開くので、赤枠部分の【名前】を変更します。
任意の【名前】を入力します。今回は【電子書籍KDP本文】としました。【名前】を入力後、「種類:段落」「基準にするスタイル:標準」「次の段落のスタイル:電子書籍KDP本文」になっていることを確認します。
※「次の段落のスタイル:電子書籍KDP本文」になっていない場合は、赤丸(点線)部分をクリックし、【電子書籍KDP本文】を選択します。
次に、左下にある【書式】をクリックし、【段落】をクリックします。
『段落』ダイアログボックスが開きます。段落の先頭を自動的に一字下げたい場合は、『最初の行』の【字下げ】、『幅』を【1字】を選択します。
『インデント』や『間隔』の項目は、あなたの好みに応じて選択してください。
選択が終わったら、【OK】をクリックしてください。
※あとで変更することは可能ですので、仮決めしておいて、実際に作業しながら、あなたがやりやすいようにカスタマイズしてください。
『スタイル』グループの一番左が「電子書・・・」となっていれば、ここまでの設定が反映されていることになります。
本文を書くときに、ここをクリックするとカスタマイズした設定が反映されます。
見出しの書式スタイルを設定する
見出し1から見出し3までの書式を設定し、『ホーム』タブの『スタイル』グループに表示されるようにカスタマイズします。
まずは、見出し1から。
『見出し1』を右クリックします。
【変更】をクリックします。
『スタイルの変更』ダイアログボックスが表示されるので、「基準にするスタイル:標準」になっていることを確認し、「次の段落のスタイル:電子書籍KDP本文」に変更します。
左下の【書式】をクリックし、【段落】をクリックします。
『段落』ダイアログボックスが表示されます。『インデント』『間隔』をあなたの好みで構いませんので、変更してください。もちろん、そのままでも構いません。
『間隔』の【段落後】は1.5行以上に設定したほうが見やすいかもしれません。
(下図は1.5行に設定しています。)
『段落』ダイアログボックスで、『改ページと改行』タブを表示して、【段落前で改ページする】にチェックを入れ、【OK】をクリックします。
ここまでの手順を参考に、見出し2も設定します。ただ、『段落前で改ページする』の設定はチェックを入れても、入れなくても、どちらでも構いません。
「スタイル」グループに見出し3が表示されるようにカスタマイズします。
『ホーム』タブで、「スタイル」グループの右下(赤丸部分)をクリックして、『スタイル』ダイアログボックスを開きます。
『スタイル』ダイアログボックスの赤丸部分をクリックします。
『スタイルの管理』ダイアログボックスの【推奨】タブをクリックします。
【見出し3】を選択し、【表示】をクリックしたら、【OK】をクリックします。
『見出し3』が表示されます。
『見出し3』を右クリックし、【変更】をクリックします。
『スタイルの変更』ダイアログボックスが表示されるので、「基準にするスタイル:標準」になっていることを確認し、「次の段落のスタイル:電子書籍KDP本文」に変更します。
左下の【書式】をクリックし、【段落】をクリックします。
『段落』ダイアログボックスが表示されます。
見出し3の初期状態である下図が表示され、『インデント』の「左:4文字」となっています。
ここは【0字】に設定したほうが、見映えが良いかもしれません。これも好みです。
設定が終わったら、【OK】をクリックします。
その他の設定
『ヘッダーとフッター』は、KDP(Kindle・ダイレクト・パブリッシング)にデータをアップロードしたときに自動的に取り除かれますので、設定は不要です。
ただ、執筆中にヘッダーやフッターがあったほうがやりやすいのであれば設定しても問題ありません。
ページの余白も同様で、仮に上下左右の余白を設定しても、アップロード時に無視されてしまうので、標準のままで構いません。
Wordファイルの保存と形式
以前は、Wordファイルの保存形式は「.doc」でなければなりませんでしたが、現在は「.doc」のファイル形式で保存しても「.docx」のファイル形式で保存しても、問題なくアップロードできます。
最後に、、、
フォントの種類もアップロード時に無視されてしまうので、フォントの種類にこだわる必要はありません。
フォントサイズはある程度反映されますが、読者が使用するデバイスによっては、フォントサイズの変更もできてしまうので、あまりこだわる必要はありません。